「品」は、控えることでその存在を増し、
「華」は、人の前に出る中でその存在を増す。
どちらも欲しいと願っても、
そう簡単に得られないもの。
そして、お金では買えないもの。
目に見えてわかるものより
醸し出される、そういったものに興味がある。
次は、これをテーマに1冊書いてみよう・・・

「品」は、控えることでその存在を増し、
「華」は、人の前に出る中でその存在を増す。
どちらも欲しいと願っても、
そう簡単に得られないもの。
そして、お金では買えないもの。
目に見えてわかるものより
醸し出される、そういったものに興味がある。
次は、これをテーマに1冊書いてみよう・・・

がんセンターでの取材が続いている。
「先生、どうしても、何もする気にならないんです。
今は、ずっとベットで寝ていたい気分です・・・」
そう、60代の女性が担当医に訴える。
「やる気が起きない時は、
やすみなさい、そういうサインだと・・・
そんな風に思っていただけるとよいのでは、
というのが、私からのお願いです」
と、先生がゆっくり答えた。
「やる気が起きない時は、
やすみなさい、というサインですから」
そう言い切って、終わらないところが
この先生のすごいところだ。
そんな風に言い切られてしまうと、
「そりゃあ、そうかもしれないけど
それじゃあいけない気がするから、
こうして話しているのに・・・」
というのが、患者さんの心の声だろう。
でも、先生から、こんな風にお願いされてしまうと
違う響きを持って患者さんに届くものがある。
そこには、この医師の
ただ、患者さんに寄り添いたい、というだけでなく、
患者さんである前に、一人の人生の先輩と話をしている、
その自覚と感覚を大切にしていたい、
そんな気持ちが根底にある気がした。

がんセンターでの取材が続いている。
ある40代女性の患者さんが、ドクターに
「今も、自分が死ぬんだと思うと怖くて眠れない夜があります。
でも、少し前まではは四六時中怖かったけれど、
今は、そんなことばかり考えて時間を無駄に使いたくない、
そう思うようになりました。
お昼間は、お友達とお出かけすることもあります。
不安は、少し、減った気がします」
と、ちょっと控えめな笑顔で話している。
その言葉に、度々頷きながら、じっと耳を傾けていた
ドクターがこう言った。
「そうですか。不安が100から50になったのだとしたら、
それはよかったです。
その不安が0になるのは難しいことかもしれませんが、
でも、少しずつでも、40、30、20・・・となっていければ良いですね」
患者さんは、その言葉に、はっとしたようで、
そして、さっきよりずっといい笑顔で、
「はい」
と答えていた。