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  • 国立がんセンターでの物語。ママと小学生の女の子。

    国立がんセンターでの物語。ママと小学生の女の子。

    面会時間が終わる頃、すっかり暮れたがんセンターでは
    いつも切ない別れがある。

    小学生の多分、4年生と1年生くらいのお嬢さんが二人、
    パパに連れられてママのお見舞いに来ていた。

    時間外通用路の端っこで、そのお嬢さん二人が
    ママのパジャマの端っこをつかんで離さない。
    もう、時計の針は20時を過ぎていた。

    ママが
    「ありがとうね。来てくれてありがとうね。
    またね。ちゃんと宿題をするのよ」
    とその二人の女の子の頭をやさしく撫で続けている。

    その手がはっとするほどに細く、白く、
    私はそこに目が止まる。

    パパが
    「もう、行くよ」と促すほどに
    ママのパジャマの端っこをつかむ手は
    ぎゅっと、強くなるばかり。

    ママが、しゃがみ
    彼女たちの顔をじっとみつめながら
    「おばあちゃんが心配するから、帰ろうね。
    また、土曜日に来てね、待ってるから」
    と優しく言って、
    そのお嬢さんたちは漸く手を離した。

    暗い時間外通用路を歩く、我が子とパパの姿を
    小さく手を振りながら見送るママ。

    大きく手を振り続けながら、
    ママ、ママと、泣きながら、
    パパに引っ張られるように歩く子どもたち。

    こんな風景は、どこの病院でも、多分、
    毎日、毎日、たくさん、たくさん、あるシーンなのだろう。

    だけど、やっぱり、祈らずにはいられない。
    この子たちが、強く強く生きていけますように。

  • 答えがない問いを、問わずにはいられない人間の性

    答えがない問いを、問わずにはいられない人間の性

    自分の中でとてもしっくりする一文に出逢った。

    作家の上橋菜穂子さんが
    あるインタビューで応えていたなかにあった。

    「私が一番苦手なのは、『なぜ、この物語を書いたのですか』
    という質問。一言で言えないからこそ、一冊の本を書くのです。
    答えがない問いを問わずにはいられない人間の性を丸ごと抱えて
    表現するのが物語。
    主人公に心を乗せて物語の世界を行き、読み終えた時に、何かを
    感じてくれたら、それが私の伝えたかったことです。」

    「答えがない問いを
    問わずにはいられない人間の性を丸ごと抱えて」

    という一文に、私はブルブル音を立てて震えるものがあった。

    人生に明確な答えなんてどこにもないのだ、
    そう強く思うこの頃。

  • 「愛している」より「大切な人」

    「愛している」より「大切な人」

    「あなたを愛している」

    より

    「あなたは私の大切な人」

    の方が、

    私にとっては重みがあるのですが、

    みなさんはいかがでしょうか。

    命に向き合うことを考える日々の中で

    そんなことをつぶやいてみたくなりました。