つれづれ,  未分類

国立がんセンターでの物語。ドクターのひとことで笑顔になる。

がんセンターでの取材が続いている。

ある40代女性の患者さんが、ドクターに
「今も、自分が死ぬんだと思うと怖くて眠れない夜があります。
でも、少し前まではは四六時中怖かったけれど、
今は、そんなことばかり考えて時間を無駄に使いたくない、
そう思うようになりました。
お昼間は、お友達とお出かけすることもあります。
不安は、少し、減った気がします」
と、ちょっと控えめな笑顔で話している。

その言葉に、度々頷きながら、じっと耳を傾けていた
ドクターがこう言った。

「そうですか。不安が100から50になったのだとしたら、
それはよかったです。
その不安が0になるのは難しいことかもしれませんが、
でも、少しずつでも、40、30、20・・・となっていければ良いですね」

患者さんは、その言葉に、はっとしたようで、
そして、さっきよりずっといい笑顔で、

「はい」

と答えていた。

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