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  • 【vol.17】このプロジェクトが描く未来

    【vol.17】このプロジェクトが描く未来

     

    北朝鮮が日本海に向け弾道ミサイルを発射した、とのニュースを耳にする度、背筋が凍ります。人間はとてつもなく大きな力を手にしたとき、試してみたくなる生き物だと思うのです。ふと魔がさす怖さ。感情と欲望をコントロールすることの難しさは歴史が証明しています。

     

    そんな不安が膨らむばかりの状況下でも、ミモザの黄色い花が満面の笑みを見せています。

    芽吹き、花が咲き、散る、そしてまた芽吹く。そんな自然の摂理にこころ救われます。人知の限界や命のはかなさを体感し、我々はほんの数年前より、何かに向かって手を合わせることが増えたのではないでしょうか。

    ちなみに、日本語の「いのり」という言葉の語源は「生宣(いの)り」です。

     

    「い」は生命力を、「のり」は詔(みことのり)からきているそうで、宣言、宣命を意味します。「いのり」とは生命を尊ぶ宣言。そうであるならば、手を合わせずにはいられない日々です。

     

     

    脈絡のないスタートとなりました。

    さて、漸くJapan Craft Book Project のホームページができました。

    https://japancraftbook.com/

    ご覧いただけますと幸いです。

     

    と申しましても、なんとか形にはなったものの、文章も整理しきれておらず、情報も完全とはいえない状態です。

    ただ、ニュースレターを読んでくださっている皆様には、完璧なものに仕上げてからお見せするというより、このプロジェクトの芽吹きのところからお伝えして、伴走していただきたい、という気持ちで発信しております。それゆえ、ご容赦いただけますと幸いです。

     

     

    実はこのプロジェクトを立ち上げたときに、成し遂げたいこと、期待される波及効果のようなものを考える機会を得ました。ここで少し共有させてください。

     

    ■日本の職人技や伝統工芸品というと馴染みがない、遠い存在だと感じる方でも、「本」という身近な存在(アイテム)に集結させることで、馴染みやすくなる。結果として、小さいながらも日本の伝統文化に触れる機会を創出することができる。

    ■本を購入していただくことが、日本の伝統工芸を支援すること、社会貢献へとつながる仕組みにしたい。

    ■希少性のある美しい本は珍重されており、コレクションしたくなるような本は国内外でニーズがある。美しい本を作ることが、より価値あるものになる。

    ■フォーカスした神社や地域の活性化につながるものにしたい。

    ■普段は見られない本づくりの裏側を公開していくことで、絵に興味がある人、伝統工芸に興味がある人、出版そのものに興味がある人、多くの人に興味関心を持ってもらえる。結果として、ご協力いただいた関係者にHAPPYな循環が生まれるようにしたい。

    ■この本を世界へ発信することが、日本の精神性を伝える、感じ取ってもらえるものにしたい。

     

     

    あと、個人的に実現したいことがあります。

    日本の大多数の神社が厳しい経営状況にある中、注連縄にビニールや布を使っているところが増えています。私はそれがここ数年、気になって仕方ないのです。地方はまだ稲藁があるので良いのですが、都会の神社では特にビニール製が増えており、そこにカビが生えていたりします。

     

    このプロジェクトの収益が上がれば、ご縁があるところから、少しずつ麻や葛の繊維、稲藁に替えていきたいと夢見ています。なぜ、自分がそんなことを思うのか不思議なのですが。
    捕らぬ狸の皮算用もいいところですが、収益の一部を注連縄自然素材回帰運動(勝手に命名)に充てたい、とここにこっそり宣言します。

     

    口ばっかりにならぬよう気をつけなくては、とプレッシャーも感じます。

    でも、言葉にする、さらに文字にすると、思いは叶うと申します。

    なんと言っても、日本は「言霊さきわう国」ですから。ちょっと使い方が違いますでしょうか(笑)

     

    Japan Craft Book プロジェクト 

    代表  稲垣麻由美

    ーつづくー

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  • 【vol.16】掌に美しい日本を奏でる

    【vol.16】掌に美しい日本を奏でる

     

    Japan Craft Book とはなにか。
    それは実際のところ、1冊1冊、形にするなかで本質が立ち上がり、自然と見えてくるものだと思っています。
    ただ、目指すところを短い言葉で表すならば、「掌に 美しい日本を奏でる」です。


    デザイナーの谷さやさんが、Japan Craft Book Project の概要をコンパクトに動画にまとめてくれました。
    ぜひ、ご覧ください。
    https://www.youtube.com/watch?v=jZExCkSnrVY


    ちなみに「美しいとはなにか」を、よく考えます。

    全ての人が美しいと感じるものは存在しないかもしれませんし、「美しい」の捉え方は人それぞれです。

    ただ、一つ言えることは、ハッと心を動かされる時、人は「美しい」と感じるのではないか、と思っています。

    それは、日常の中に溢れています。目に見えるものだったり、見えないものだったり。ただ、それは慌ただしい日々の中ではなかなか気づかず、感じられません。

     

    わざわざ手に取り、読む、見る。
    そんな「本」という仕掛けの中だからこそ、できることがありそうだと思っています。

     


    これまでお伝えしてきたように、Japan Craft Book Project では現在、島根県隠岐諸島 西ノ島にある焼火神社の本を2冊制作中です。

    1冊は焼火縁起をもとにした『御神火』。もう1冊は、隠岐島前神楽の世界を描いた『神迎え』です。
    そしてまだ先の話になりますが、焼火神社の本が完成したら、次はまた場所を移し、『御神木』『御神水』『御神山』・・・というように、「日本の神様の物語を、日本の紙に綴る、描く」シリーズを順次制作していきたいと考えています。
    その度ごとに、関わる作家もさまざまに広がっていくと、より多彩な世界が誕生しそうです。

    (和紙の原料となる楮。西田和紙工房さんで)

     

    小泉八雲が『知られぬ日本の面影』の序文の中で、

    「語り継がれてきた小さな物語や迷信にこそ、人々の希望や怖れ、善悪の観念、目に見えぬ世界への想念が込められている」

    と、書いています。

    昔、おじいちゃん、おばあちゃんが、こんな話をしてくれたよ、と日本各地にひっそりと残る物語を、その土地に近い和紙を使い、世界へ再発信することができれば幸せです。

     

    なお、前号で Japan Craft Book HP が完成予定とお伝えしたのですが、もう少し整える必要があり、間に合いませんでした。失礼いたしました。

    しばし集中して、作業を進めたいと思います。

     

     

    このニュースレターも毎週木曜日発行でしたが、ペースを緩やかにすることを検討しています。いずれにせよ来週はお休みし、再来週の木曜日に発行します。いや、送らせてください。

    いつもありがとうございます。

     

    Japan Craft Book プロジェクト 

    代表  稲垣麻由美

    ーつづくー

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  • 【vol.15】篠原紙工さんとの出逢い

    【vol.15】篠原紙工さんとの出逢い

     

    実は、私は電子書籍愛用派です。

    読んでいてわからないところがあれば、すぐに辞書機能を使え、モヤモヤを残さず読み進められるのが実にありがたい。気になった言葉、地名、知らなかった人物から、クリック一つで次なる知の扉がいとも簡単にパタパタと開いていきます。

    なのに、どこか満たされないものを感じるのはなぜか、ともよく考えます。きっと人間は、大切なものを抱きしめたい、愛しいものには触れたい、そんな生き物だからではないかと思います。

    心に深く触れたものは、手でも触れたいのです。

    Japan Craft Bookは、「思わず触れたくなる」そんな佇まいの本であって欲しいと思っています。

    では、「どうする?」です。私は思い描くばかりで、実際に手を動かし、形にすることはできません。

    そんなときに出逢ったのが、有限会社篠原紙工の代表取締役・篠原慶丞さんです。篠原紙工さんのホームページにはこんなことが書かれています。

     

    篠原紙工さんの江東区にあるオフィスにて

     

    篠原紙工の「はじめに」

    わたしたちには、大切にしていることがあります。

    ひとつは、本質をさぐること。
    お客さまの大切な想い、考えが伝わるプロダクトをつくるため、質問を繰り返します。
    「なんのためにつくるのか」「なぜこの仕様なのか」を問い続け、形ないものに宿る本質をともに見つけ出し、形にするためのプロセスを大切にしています。

    次に、お客さまとチームとなってはたらくこと。
    わたしたちは、プロジェクトをお客さまと一緒に育てたいと願っています。
    デザインする人、形にする人といった区別なく、互いのアイデアや制作物に対する想いを共有し、お互いに最善を尽くして形にしていく。


    みんなで目線を合わせてできあがったものは、手にする人の心を動かせると信じています。

    最後に「やってみよう」。
    篠原紙工には、誰も形にできなかったアイデアが日々持ち込まれます。
    未知へのチャレンジは、失敗や予期せぬトラブルが避けられません。
    しかし、トラブルも物を生み出すひとつの工程であり、わたしたちとお客さまとがともに乗り越えることで見えてくる世界があります。


    制約の中で知恵を絞り「やってみよう」から出発するものづくりには、常に新しい発見があります。
    肯定と否定を繰り返し、これまでも異端のプロダクトが生まれました。

    人の手と心が動いた結果であるプロダクトを世に送り出すには、想像以上のエネルギーが必要です。

    エネルギーの源はいつも人です。


    だからわたしたちは、篠原紙工に関わるすべての人を大切にします。
    そして、お客さまとともにチャレンジできる血の通った関係を築き、本質を脈打たせ、心を揺さぶるモノづくりをしていきます。

    https://www.s-shiko.co.jp/about/

     

    あまりにしびれるメッセージだったので、全文転記してしまいました。

    おいおい。

     

    こちらが篠原慶丞氏。実際に選んだ紙を使って糊付けをしていくと、どれくらいの厚み、強度になるか、すぐに見本を作ってくださいました

     

    篠原紙工さんのお仕事内容をひとことで伝えるのは(私には)難しいのですが、デザイン、装幀、製本、印刷というわかりやすい範疇にとどまらず、紙を扱うプロダクトのプロと言えばよいでしょうか。

    (ちなみに、ご縁を作ってくれたのは、ブックフォールディングの世界的第一人者であるOruFunの二人です。ありがとうございます!

    https://www.orufun.com/

     

    そして今、篠原さんに全面的にご協力いただき本作りを進めています。

    篠原さんのすごいところは、どんな要望に対しても「さて、どうしましょうか」の一言から始まって、そこにはいつも楽しい響きが感じられること。

    デザインを担当してくださっている谷さやさんが迷っている箇所に対して、思わぬ角度から具体案がいくつも出てくる。その度に谷さんの顔がぱっと明るくなる様子を私は何度となく見ていて、また嬉しくなるわけです。

     

     

    そして今、私は頭の中に漠然とあったものが、目の前で形になっていく様子を最高に興奮しながら眺めている、そんな感じです。

    つくり手たちが存分に遊び心を発揮し、細部にさまざまな工夫を凝らす。

    それがどうやったら実現するのか。どうしたら美しい佇まいとなるのか。和紙にどこまでこだわる必要があるのか。何より、伝えたいメッセージを体現するプロダクトとなっているのか。互いの思いや関係性もちょっと萎んだり膨らんだりしながら、漸く、判型やページ数が定まってきました。

     

     

     

    あと一つお知らせです。

    次回のニュースレターをお送りする頃には、Japan Craft Bookのホームページが完成している予定です。まとまった形でプロジェクトの概要をご覧いただけるようになります。本の販売まではまだ少し時間がかかりそうですが、プロジェクトの広め方など、さまざまなアドバイスを頂けますと大変ありがたいです。

    毎週、お読みいただきありがとうございます!

     

    Japan Craft Bookプロジェクト 

    代表  稲垣麻由美

    ーつづくー

     

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