親切の押し売りほど迷惑なものはない。
「あなたのためを思って」という言葉が大の苦手だ。
いつも、あなたに私の何がわかる、と思う。
人の行動には、その人が吐く言葉には、全て理由や経緯がある。
その一瞬だけを切り取って、短い付き合いで、私のことを判断してくれるな、と思う。
言葉と表情がちぐはくなのは、
心のままに生きることが許されなかった幼少期があるからだ。
それを簡単に「もっと素直に生きてみたら」という人がいる。
あなたに、泣けずに笑顔を無理やりつくることで、乗り切るしかなかった
あの苦しみがわかりますか、と叫びたくなる。
うまく笑えないのには、理由があるのだ。
うまく人に心を開けないのには、理由があるのだ。
うまく進めないのには、理由があるのだ。
親切そうな仮面をかぶって、私の心の中に土足で入らないでくれ。
時折、この年齢になっても叫びたくなることがある。
そのくせ、私はその押し売り名人かもしれない。