Japan Craft Book メールマガジン

【vol.27】神々の跳梁 ー『神迎え』特装版に水野竜生先生の原画をー

 

 

このところ、空が荒れています。
かみなりの語源が「神鳴り」だったことを思い出しました。

今も「雷」ではなく、「神鳴り」と日本人が使い続けていたとしたら、我々は独自の感性をもう少し宿し続けられたのではないか、と考えたりします。

ちなみに、「天晴れ(あっぱれ)」は、太陽神である天照大神が岩戸の中から再び姿を現わし、そのために天が晴れ、光が射したときの様子から生まれた言葉といわれています。

さらに、その光によって神々に日があたり、面(顔)が白くなった状態を「面白」といい、そこから「おもしろい」が生まれています。

また、「楽し」は日が射し、よかったよかったとみなで喜び、心が浮き立つままに自然と手が伸びて、「手伸し(たのし)」く踊り始めた様子が語源だそうです。

こんなところからも、日本人ならではの、神様との距離感が感じ取れます。

 

 

さて、皆さまへお知らせです。
『神迎え』特装版に、水野竜生先生の原画を1枚添えてお届けすることが決まりました。

石州和紙に朱の岩絵具を何度も重ね塗りし、その上に神楽を舞う社家を描いた作品です。

左手に幣、右手に鈴を持って舞う幣舞。その年に生まれた赤児を抱いて舞う巫女の姿。アップテンポな囃子にあわせ登場する猿田彦、戦の神である建雷之神・・・。

1点1点の作品がどれも実に表情豊かで、さやさやと擦れる幣の音、巫女が振る鈴の音、華やかな鉦や太鼓の音までもが聞こえてくるようです。

 

   

 

また、こうして作品をずらりと並べ、ずっと眺めていると、舞い手たちを描いたはずなのに、あの場に舞い降りともに過ごした神々の跳梁を描いたもののように、私には見えてきます。

神楽の語源は「神座」。
来臨する神の座であり、来臨した神と人間がともに舞い遊ぶひとときなのですから、目の前で舞っているのが神なのか、人間なのかわからない状態こそ、ほんとうの神楽なのではないかと考えたとき、まさに、この絵こそ、と感激しています。

 

 

今のところ、特装版は限定30部の発売予定ですが、どの作品がお手元に届くかはわからない、そんなことも楽しんでいただければと思います。

とにかくあと一息、完成に向けて頑張ります!


アーティスト・水野竜生 紹介動画

https://youtu.be/AaarBkrNU9s
https://youtu.be/inZvTy1TvGM
https://youtu.be/U0lK-NkZwR4


今号もありがとうございました。

Japan Craft Book プロジェクト 

代表  稲垣麻由美

official@japancraftbook.com

ーつづくー

※こちらの記事は、Japan Craft Book メールマガジンのバックナンバーです。
ご登録はこちらより。

Japan Craft Book ProjectのHPも、是非ご覧ください。
https://japancraftbook.com/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください