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  • 親切の押し売り

    親切の押し売り

    親切の押し売りほど迷惑なものはない。

    「あなたのためを思って」という言葉が大の苦手だ。

    いつも、あなたに私の何がわかる、と思う。

    人の行動には、その人が吐く言葉には、全て理由や経緯がある。

    その一瞬だけを切り取って、短い付き合いで、私のことを判断してくれるな、と思う。

    言葉と表情がちぐはくなのは、

    心のままに生きることが許されなかった幼少期があるからだ。

    それを簡単に「もっと素直に生きてみたら」という人がいる。

    あなたに、泣けずに笑顔を無理やりつくることで、乗り切るしかなかった

    あの苦しみがわかりますか、と叫びたくなる。

     

    うまく笑えないのには、理由があるのだ。

    うまく人に心を開けないのには、理由があるのだ。

    うまく進めないのには、理由があるのだ。

     

    親切そうな仮面をかぶって、私の心の中に土足で入らないでくれ。

    時折、この年齢になっても叫びたくなることがある。

     

    そのくせ、私はその押し売り名人かもしれない。

     

  • 心の中のどこか深いところにしまったもの。

    心の中のどこか深いところにしまったもの。

    今日、久しぶりに会ったあの人は

    どこか深い場所にしまっている言葉を

    一生懸命掘り起こして、紡ごうとしていた。

    だけど、うまく紡げず、苦しそうだった。

    「その気持ち、わかるよ」

    なんてとてもいえず、

    うん、うん、うん 私はとうなづくだけだった。

    ただ、あの人は

    「きっと、大丈夫だよ」

    と、言って欲しかっただけかもしれない。

    いつも、そんなことに、後になってから気づく。

  • 陰る。

    良かれと思ったことが

    ことごとく裏目にでることがある。

    そんなつもりはなかった、

    と、どんなに説明したくても

    相手が背中を向けてしまって、言葉が届かない。

    思いが届かない。

     

    昨日まで光り輝くように見えていた景色が

    一瞬にして陰る。

     

    どうすればいい?

    どうしたら誤解が解ける?

    いや、そもそも誤解なのか?

    もし、少し時間を戻して、あの時点に戻れたとしても

    同じことをやる気がする。

     

    どうしようもなく深まってしまった溝は

    もしかしたら、ずっと前からあったのだ。

    どこか気づいていたのに、気づかないふりをしていた。

     

    仕方ない・・・

    そう思えるようになるまでには、時間がかかりそうだ。

    振り返らず、ただただゆっくり歩いてみよう。