「がんばらなくていいの。
ほんとうに伝えたいことは、
言葉でなく思いで伝わります」
これは、現在92歳の料理研究家・桧山タミさんの言葉だ。
思いが伝わるのは、
たいてい何がが過ぎ去ってからだ。
ふと、「あっ、あのとき・・・・」
と気づいたりする。
そして、それがなんとも
あったかく自分を包んでくれる。
自分は誰かをあたたかく
包めることがあるだろか。
この言葉の深や、やさしさが、
なんだかしみじみわかるように
なってきた50歳手前の秋。

「がんばらなくていいの。
ほんとうに伝えたいことは、
言葉でなく思いで伝わります」
これは、現在92歳の料理研究家・桧山タミさんの言葉だ。
思いが伝わるのは、
たいてい何がが過ぎ去ってからだ。
ふと、「あっ、あのとき・・・・」
と気づいたりする。
そして、それがなんとも
あったかく自分を包んでくれる。
自分は誰かをあたたかく
包めることがあるだろか。
この言葉の深や、やさしさが、
なんだかしみじみわかるように
なってきた50歳手前の秋。

がんセンターでの取材が続いている。
ある40代女性の患者さんが、ドクターに
「今も、自分が死ぬんだと思うと怖くて眠れない夜があります。
でも、少し前まではは四六時中怖かったけれど、
今は、そんなことばかり考えて時間を無駄に使いたくない、
そう思うようになりました。
お昼間は、お友達とお出かけすることもあります。
不安は、少し、減った気がします」
と、ちょっと控えめな笑顔で話している。
その言葉に、度々頷きながら、じっと耳を傾けていた
ドクターがこう言った。
「そうですか。不安が100から50になったのだとしたら、
それはよかったです。
その不安が0になるのは難しいことかもしれませんが、
でも、少しずつでも、40、30、20・・・となっていければ良いですね」
患者さんは、その言葉に、はっとしたようで、
そして、さっきよりずっといい笑顔で、
「はい」
と答えていた。

自分の中でとてもしっくりする一文に出逢った。
作家の上橋菜穂子さんが
あるインタビューで応えていたなかにあった。
「答えがない問いを
問わずにはいられない人間の性を丸ごと抱えて」
という一文に、私はブルブル音を立てて震えるものがあった。
人生に明確な答えなんてどこにもないのだ、
そう強く思うこの頃。